自作アクセサリーについて

自作アクセサリーはそれこそ数え切れないくらい、思い出せないくらい(思い出せないのはボケのせいもあるが)作っている。
その中から、印象に残っているものを取り上げてみたい。


オーディオラック

オーディオラックは過去に10作以上は作っていると思うが、現在使っているものがベストとは言わないが,今の使い方ならベターだと思っている。
オーディオラックは使ってみると判るが、強度も重要だが配線のしやすさも重要な要素であることに気づく。
長岡さん(オーディオ評論家の故長岡鉄男氏のこと。私の人生で非常に大きな影響を受けた方の一人だが、特に師弟関係はなかったので親しみを込めて長岡さんと呼んでいる)のアイディアもさんざんパクらせてもらったが、初期型の後面の両サイドに縦に板が入ったものや、後面に「ロ」の字型の板の入ったものは意外とコードがつかえて使いにくい。
特に近年は昔は考えもしなかった太いコードを使ったりするから、余計である。
また板厚も二枚重ねとか三枚重ねにすると、強度は取れるが、音が飛躍的に良くなったりはしない。
それに、最近はプレーヤー関係が軽くなったし、パワーアンプは最下段に置けば良い。
アナログプレーヤーも今は使わない。

現在使っているものは何といってもコストパフォーマンスが魅力である。
ラックだけなら三千円ちょっと、石版も含めても五千円もかかっていない。

ここ一年くらいのことだが、日曜大工店に針葉樹の合板が出回るようになった。
それも24ミリの定尺が1800円くらいである。
まずこれをきっちり六等分にカットしてもらう。
次にツーバイフォーの柱を買い(これも数百円くらい)、4本ずつ同じ長さになるようにカットしてもらう。
ここが味噌である。
側板の変わりに4本の柱を使うのだが、素人が自分でカットしていたのでは絶対に同じ長さにならない。
今は1カットわずか数十円でカットしてくれる。
あとは木ネジで組み立てていくだけである。
仕上げは透明のラッカースプレーを軽く吹いてある。(これも今は1本200円くらいで買えるのだ)
さらに鳴きをとめるために石板を敷いているが、これも昔は高かったが、今は建築の余り板が1枚300円くらいで通販で買える。
側板が柱だからそこそこ強度が取れるし、なんと言っても非常に配線がしやすい。
さらに石板で鳴きを止めているから音も締まっている。
ウルトラコストパフォーマンスマンの面目躍如である。(と自分で勝手に思っている)




ケーブル

ケーブルも過去色々使ったし、色々買った。
昔は数万円位するのを買っていたこともあったが、今はたいてい自作である。
と言っても、昔のようにただ太いだけとか言うのは頂けない。
結構最近になってから、興味本位でエコグリーン(Fケーブル)をピンコードにしてみたが、さすがに聴けたものではなかった。
多分キャブタイヤでピンケーブルを作っても同じ結果だろう。
現在はなぜかオヤイデの製品が多いが、デジタルケーブルは銀線の同軸、電源タップはTUNAMI、機器からタップまでは2by2やナノテックを使い分けている。
面白いのはピンケーブルで、ここ一年くらいの間でも5本くらい作ったと思うが、こちらは電源ではないので電取法の対象外で自分の責任でどんなものでも使える。
スピーカーケーブルや電源ケーブルなど良さそうなものは片っ端から試してみた。
オルトフォンのスピーカーケーブルやもともと電源用の2by2,同じくオヤイデのPA−22、ナノテックなどである。
その結果健在は2by2を主に使っているが、やはり基本は太くて抵抗値が低くて鳴きの少ないものが良い。
私がスピーカーケーブルや電源ケーブルをあえてピンに使うのは、その太さにある。
さすがにTUNAMIをピンケーブルにしようとは思わないが(というか私の工作技術では出来ないが)、少なくとも1.5〜2スクエア位はあったほうが良いと思っている。
また素材についても過去色々試したが、今は素材もいろいろなものが出ているので、やはりある程度は試してみないと判らない。
銀線に凝ってずっと使っていたこともあったが、銀線は鳴きをとめるのか難しくかなり苦労した。
それとピン端子だが、私はコレットチャックのものが抜けにくくて良いと思う。
コレットチャックも昔はWBTなど高価なものしかなかったが、今は通販で4ケ1000円くらいで買える。
太いケーブルを使ってハンダ付けが心配なときはエポキシで固めれば良い。
また機器によっては僅かにノイズを拾う場合があるが、その時は編み線シールドを被せるようにしている。
現在はこれで充分だと思っている。
たまに友人が高価なケーブルを貸してくれたりするが、あまり高価なものは音も独特すぎて結構難しいものが多かった。







インシュレーター

インシュレーターも面白い。
過去に何を使ったかも完全には思い出せないが、メーカー製、自作を含めかなり色々使っている。
アナログ時代はハウリングとの戦いだったから、テクニカやマイクロのゴム製のものやテニスボールなんかを使っていた。
CD時代になるとさらに選択肢は広がった。
タオックやテクニカの金属製のもの、故金子式や故入江式、ソルボセインや防振ゴム、真鍮と黒檀の積層、ハーモニックスやブラックメタル、石板やヒノキなどおよそ良さそうと思うものは使ったように思う。
そうして判ったことは、すべて素材の音を聴いているということである。
乱暴な言い方だが、トランペットやシンバルを聴くには真鍮などがそれらしく聴こえるし、弦楽なら木製が良く聴こえる。
さらに季節によって使い分けると面白いかもしれない。
冬は音が硬くなるので軟性のものを、梅雨なら硬質のものを、正月には餅を、バレンタインにはチョコレートを、、、、(どこまでいくねん)
金属には金属の、木には木の、ゴムにはゴムの音があり、良く聴くとその音を聴いているのだ。
これではいけない。
ではどうするかだが、私の耳には軟性のものはどうしても低域が柔らかくなってしまうので好みではない。
硬質のもので出来るだけ固有の鳴きがないもの、それが無理なら、薄いフェルトや少しの素材で硬質の鳴きを取るものをうまく使うのが良いと思っている。
現在はどうしているかと言うと、音がうまくまとまらずに困った時は木を、それ以外ならコーリアンなどを使っている。
コーリアンは相島技研さんなどがよくホームページで使われているのを見て、「樹脂じゃどうかな?」と思っていたが、いざ使ってみるとかなり固有音が少なそうだ。
木やコーリアンの鳴きを止めるのにはフォックなどを使っている。
ここは薄いフェルトとか上に乗せるものの重量も考えて試してみるしかない。
コーリアンは安い素材だからフォックと合わせても3000円くらいである。
今から思うと、高々インシュレーターに数万円も出すのは馬鹿らしいと思っているし、高価なものを借りて使っても私にはその良さが良く解らなかった。





ボリューム

私はメインシステムにはプリメインアンプをほとんど使わないが、その大きな原因がボリュームである。
アナログを使わなくなった現在プリアンプは必要ないが、音量調整のためボリュームは必要だ。
プリメインはこのボリュームが頂けない。

ボリュームも過去色々試した。
東京光音やアルプス、コスモス、東京光音の抵抗切り替え式のもの、さらには電子ボリュームや長岡さんの「PC−5」なども試してみた。



そして解ったのは、アンプの大きなネックはボリュームであることだ。
ボリュームによって全く違った音がする。
抵抗切り替え式は原理的には良さそうだが、使う抵抗によってころころ音が変わる。
抵抗はそれほど試したわけではないが、使った中ではデールがダントツに良かった。
しかし私の工作技術では何十接点のロータリースイッチなど出来る訳もない。
そこで見つけた回路がシャント式である。
シャント式は音量によってインピーダンスが変わるため、回路の解る人は良しとしないだろうが、幸いにも私は回路が解らない。
何より直列には抵抗が1本しか入らないのが良いではないか?



ただし、シャント式もパラの抵抗は切り替え式のため結局ロータリースイッチが要る。
どうしよう、、、、
そこで私は、パラのロータリーをボリュームで作る横着なことを考えた。
ボリュームはAカーブでは話にならないので、東京光音にCカーブのものを注文した。
さらに直列に入る抵抗にはデールを使ったが、試しているうち同じ値でも抵抗のワット数が大きくなるほど私の耳には良く聴こえた。
現在はデールの10W3パラになっている。
これも、回路の解る人には全く意味がないと言われるだろうが、繰り返すが私は回路が解らない。
さらにこのボリュームボックスには鳴きをなくすため水槽用の小石(水槽用で一番細かいもの)が充填してある。
別に電源などがないので放熱等の心配はないと思うが、どうだろう?
実はここは最初はジルコンで充填したが、切替スイッチの中までジルコンが入ってしまい切替不能に陥った。
まあ、こういう失敗は良くあることだが、、、、
という訳で、世界にひとつしかない私だけのボリュームが出来上がった。
音は私の耳には非常にストレートで好ましく聴こえる。
ボリュームだけで考えるならアキュフェーズのプリアンプよりも数段上に思える。











電源BOX

こんなものを自作アクセサリーと呼べるかどうかも疑問だが、電源BOXである。

ネットでサーフィンしていると御影石の電源BOXを見掛けた。
非常に重そうで鳴きが少なそうで欲しくなったが、一万数千円もする。
天然石を加工したものだからある意味非常に安いとも言えるのだが、どうしようかと迷っていた。
そこでまたまた日曜大工店で、15センチ四方の御影石のブロックを見付けた。
わずか600円である。
これを買って来て、18ミリ厚のの合板をエポキシで貼り付け、そこに市販の樹脂の電源BOXを木ネジでがっちり留めてある。
見掛けはともかく、性能はネットで見たものと変わらない。(と勝手に思い込んでいる)

コンセントはアメリカン電機、コードはtunamiNEGO、差し込みプラグはナショナルである。
コンセントも差し込みプラグもオーディオ用ではないが、ポイントは非メッキである。
過去に色々使ったが、金メッキ、亜鉛メッキそれぞれみんな独特の響きがある。
私は非メッキが癖が少なく聴こえる。
ナショナルの差し込みプラグは、片方が非メッキ、片方がメッキだが、このメッキをサンダーと1000番の紙やすりで丁寧に落としてある。(もちろんコードがつながる方も落としている)
tunamiを使わないなら、マリンコとかハッペルの非メッキのものがあるが、5.5スクエアには対応出来ない。
私も機器の電源コードにはマリンコやハッペルを使っている。








マイナスイオン発生器

オーディオという非常にとらえどころのないあやふやなものを趣味としている私が言うのもなんだが、近年のマイナスイオンブームは頂けない。
いったいマイナスイオンとは何なのか?
あるものは、森林効果や滝つぼの清涼感だと言い、あるものは放射性の鉱石をマイナスイオンだと言う。
またあるものは放電によるマイナスイオンだと言う。
その曖昧な定義のせいで、空気清浄機、エアコン、ドライヤーや輝石のブレスレット、はたまたお風呂に入れて温泉効果を出すラドンセラミックまでマイナスイオンになってしまった。

そこで私はオーディオルーム用の正統・元祖・本家マイナスイオン発生器を自作した。
今、マイナスイオンと呼ばれるものの中で比較的科学的に証明されているものとして、トルマリンのマイナスイオンがある。
これは正しく言うとマイナスイオンではなくマイナス電子である。
トルマリンは、光や熱などに反応し、マイナスの電子を発生する。
ただしなぜトルマリンがこのような性質を持つかは科学的にも良く解っていないらしい。
このトルマリンに光や熱を加える、具体的にはマイナスイオン電球から発生するマイナスイオンそのものをぶつけてみた。
というと非常に解りにくいが、簡単に言うとステンレスのザルに入れたトルマリン鉱石をマイナスイオン電球の上に置いただけのものである。





本体は、熱に強い素材として素焼きの植木鉢を流用した。
植木鉢ならわざわざコードを通す穴を開ける必要もない。
市販のマイナスイオン電球を購入し、植木鉢の底にソケットを固定した。

さて効果はどのようなものか?
確かに若干効いている気もするが、実際にところは良く解らなかった。
マイナスイオン測定器で測定もしてみたが、この測定器自体が怪しい。





一応何もないところでは「9」だったが、トルマリンの上では「60」だった。
という訳で、正統・元祖・本家マイナスイオン発生器の完成である。
原理そのものは単純なもので科学的にも証明されているが、作った本人が怪しいのはご容赦願いたい。